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お店の二代目・三代目

その10 「手作りの味を守る」

豊嶋屋豆腐店 (松山通り商店街交友会)

二代目 稲垣健造さん
三代目 稲垣健―さん

2015年08月01日(土)

「手作りの店 豊嶋屋豆腐店」は、JR阿佐ヶ谷北口の松山通り商店街交友会(旧中杉通り)にあります。近所のお子さんがタッパーを手にお使いに来る、昔ながらのお豆腐屋さんです。国産大豆の「ふくゆたか」と無農薬・非遺伝子組換大豆を使い、手作りの味にこだわってきました。

豊島屋②

二代目店主の稲垣健造さん、奥様の千恵子さん、三代目は健―さん。創業昭和11年、屋号の豊嶋屋は、初代・源造さんが修行した早稲田通りの豊嶋屋から頂きました。ところが源造さんは昭和20年に30歳の若さで戦死。残された健造さんはお母様と共に店を守り、昭和31年に店を継ぎました。地域の信頼も厚く、消防団分団長としても長く活躍されたそうです。

三代目の健―さんは平成5年に脱サラし、健造さんの下で修行して20年、まもなくお店を継ぐ予定です。まじめで仕事熱心な健―さんは、実は花嫁募集中。「早く良いご縁に恵まれて、二人一緒にお店を盛り立てて欲しい」と健造さんは語ります。

豊嶋屋豆腐店の一日は、地域の11の小中学校への配達から始まります。6時から積み込み作業を始め、帰着すると開店し、翌日販売分のお豆腐作りも始めます。出来上がるのは夜の11時頃。「豆腐は手作りが一番。豆腐の味はどこにも負けない」と健造さんは胸を張ります。

稲垣家では、もちろん毎日お豆腐を食べています。冬は湯豆腐、夏は冷奴、居酒屋の人気メニュー「厚揚げに生姜醤油」など。本物ならではの食べ飽きない日本の味を知ってほしいと熱く静かに語る姿が印象的でした。

(取材後、三代目・健一さんが急逝されたとのこと、ご冥福をお祈りします。)

(平成25年11月1日発行の第260号に掲載)

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