HOME » お店の二代目・三代目 » その12 「阿佐谷の水で飲むお茶」

お店の二代目・三代目

その12 「阿佐谷の水で飲むお茶」

阿佐谷銘茶「楽山」 (松山通り、阿佐谷新進会商店街)

一代目:古川素弘さん
二代目:古川貴則さん

2015年08月01日(土)

阿佐ヶ谷駅北口アーケードを抜けた松山通りのすぐ左側に阿佐谷銘茶「楽山」阿佐谷店があります。お茶関係の会社に勤務されていた素弘さんが阿佐谷の町が気に入って昭和51年に開店されたお茶の専門店です。開店当初は、現在のお店から約50m北側でしたが、30年前に現在の場所に移られたとのこと。店頭に鎮座している昔ながらの焙煎機は未だに現役で、ほうじ茶の香ばしい香りに癒されながら松山通りを歩いた経験をおもちの方も多いと思います。

奥様のご実家である静岡県掛川市東部の粟ヶ岳山麓の茶園から仕入れた茶葉を使った「深蒸(ふかむし)茶」がお店のこだわりです。深蒸茶は、茶葉の蒸時間を通常より長くすることで、味の濃いまろやかな甘味の美味しいお茶に仕上げたもので、平成25年には世界農業遺産に認定されています。

外からは分からなかったのですが、一口に煎茶と言つても多くの銘柄が並んでいます。「東京の水に合うお茶、阿佐谷の水で美味しく飲めるお茶を並べています」と熱く語られる貴則さんの脇で素弘さんが目を細めておられたのが印象的でした。

二代目・貴則さんと奥様の雅世さんは、日本茶インストラクターとして、日本茶が健康に良いことや煎茶の美味しい飲み方等を、小学校の食育や外国人の集まりなどでPRしておられるそうです。急須に茶葉を入れて適温のお湯を注ぎ、温めた湯呑に注いで、ゆったりとお茶の風味を味わう日本の文化、ユネスコ無形文化遺産となった和食とともに国内外に広まって欲しいと話されていました。

平成18年、阿佐谷新進会商店街に阿佐谷新店が開店しました。本店とは対照的な佇まいの店内は、お店の隅々まで、新しい試みに意欲的にチャレンジしている二代目と若奥様の意気込みが感じられる心地よい空間でした。この春には三代目が小学生になられます。将来が楽しみな「楽山」でした。

楽山②
阿佐谷新店にて二代目と雅世さん

(平成26年3月1日発行の第262号に掲載)

pagetop