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地域の小・中学校の今

杉並区立 東田中学校

杉並区のお花見の名所、善福寺川のほとりにある、創立69年の東田(ひがした)中学校を訪ね、着任2年目の小松﨑浩校長先生にお話を伺いました。

明治時代、この辺りは田端神社に由来し田端村と呼ばれ、田端村の東側を東田端、後に東田となり「ひがした」と濁らずに読むようになったとのことです。

現在東田中学校には、通常の学級10クラス331人と、通級指導学級の生徒が学んでいます。

東田中学校には『伸びていく』という開校からの校訓があります。この言葉は創立した方々の未来に対する思いが表されていて、「自ら学び・自ら治め・自ら営み・自らを愛しましょう」との言葉も添えられています。もう70年近くも前の言葉ですが、現在でも十分に通用するものです。

学校にはさらに28年度に改定された「自立力・社会力」という教育目標があります。これは校訓で表されている思いを凝縮し二つの言葉にまとめたものです。自立力とは、自主的に行動し自らを成長させていく力。社会力とは、集団との関係を考えながら行動し社会を成長させていく力。スポーツに例えて、自立力は個人技、社会力がチームワークと説明してくださいました。校長先生は、これをさらに「自治の力(まちづくり)」とし、「コミュニケーション力」と「地域とのつながり、伝え合う力」とも言い換えています。

土曜授業として7月9日に開かれた「東田地域フォーラム」では、全校生徒と、民生委員、町会・自治会、PTAの代表者51名が40のグループに分かれ、『よいまちとは?』をテーマに、3年生が司会を務めて活発な議論が展開されたそうです。また、2年生での職場体験では、先生や大人が手配をしてくれた職場に行くのではなく、自分たちで体験をさせてくれる場所探しからするそうです。それこそ教育目標にある「自立力・社会力」が試される時です。他にも、複数の小学校から集まってきた1年生の、早期の融和を目的とした「フレンドシップスクール」を5月の連休明けにを開催。今年は、杉並区の姉妹都市である、小千谷市に2泊3日で出かけ、田植え体験や防災訓練施設の見学などを通じ、地元の皆さんとの交流と共に、仲間づくりにも励んだそうです。

部活動も活発で、運動部は、バスケット部、バレー部、バドミントン部、テニス部などがあり、区の大会でも大活躍をし、都大会へ出場した部もあります。文化系は、吹奏楽部や美術部など多数ありますが、東田中ならではの部活「善福寺川研究部」は校外学習として善福寺川の研究だけでなく、江戸時代に善福寺川から馬橋村などへの用水路引き込みの大事業、『天保新堀用水』の研究などもしています。

お話の後、校長先生に校舎を案内していただきました。ゴミ一つ落ちていない明るい綺麗な校舎、放課後で多くの生徒が集う図書館、来校者に「こんにちは」と声を掛ける生徒たち、70年に渡る教育の成果が表れている中学校でした。

(平成28年9月1日発行の第277号に掲載)

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